私は医師に「うつ病」と診断され、薬による治療を2年くらい続けたことがあります。
おかげさまで、今は薬を飲まなくても大丈夫になりました。
うつなんてハッキリいって他人事と思ってましたし、まさか自分がなるなんて思ってませんでした。
そして、私の場合は軽い方だったのですが、ネットや本に載っている初期症状はもちろん、え?こんな症状もあるの??というのがありました。
ここでは、私が経験した症状の中で、あまり情報として出回ってないものをご紹介します。
これを参考にしていただき、一般的なうつの症状は見られないけど、似たような症状がある、というあなたは、一度心療内科を受診してみてください。
軽いうちに治療すれば比較的短い期間で治る事が多いですし、気持ちも楽です。
「うつ病ですね」と言われた時に出ていた症状

夜眠っていると、悪夢を見てしまう事が多くなる
毎日毎日、悪夢を見ていました。
夢は眠りが浅い時に見ると言われていますが、悪夢を見ては目覚め、そしてまた浅い眠りに入り、そしてまた悪夢を見て目覚める。
こういう繰り返しで、熟睡できないだけでなく、悪夢で精神的にも辛くなります。
私の場合は、目の前で人が殺される、甲冑を着た誰かに常に脅されながら仕事をする、などというような恐怖感のある悪夢が多かったです。
普通、夢ってしばらく経つと忘れてしまいますよね。
でも、それが、治って数年経つ今でも鮮明に覚えています。
それだけインパクトが強く、現実と同じような出来事として、脳が捉えてしまうほど衝撃的だったのではないかと思います。
ですから、もしメンタル的に辛い状態が続き、悪夢を見たりするようになれば、うつ病を疑った方がいいです。
直前の10分くらいの記憶が無くなる
何故かわかりませんが、直前の10分や15分くらいに、自分は何をしていたのか全くわからない、思い出せないということがありました。
ある時、倉庫に資料を探しにいったのですが、ふと記憶が戻った時に手に持っている資料は、私が求めていたものと全く違う資料でした。
何故それを持ってきたのか、どうやって持ってきたのか、全く覚えてません。
そのころは、何をやっても真っ向から否定され、何が正しくて何が間違っているのかわからなくなり、常にパニック状態に近いものでしたので、自分がやろうとしていることと、脳みそで考えていることがマッチせず、全然違う行動しているような感じでした。
1日のうちで、何度か、記憶が曖昧になったり、何をしていたのか思い出せないなどということがあれば、うつを疑った方がよいでしょう。
常に脳みそがフル回転していてそれを制御できない
どう伝えていいか表現が難しいですが、私が経験したのは、自分では意識していないし、止めたくても止められない感じで、脳みそが常に何かを考えたり情報を処理しているような状態でした。
それが1日中続きます。昼間、昼食後は少し眠くなるのに脳だけはそんな状態だったり、夜寝ようとしてもそんな状態だったり。
イメージですが、Aのことを考えているうちにBのことを同時に考えてしまい、AとBがごちゃごちゃになってちゃんと整理して分けようとしているのに、Cのことを考えてしまう、というような感じです
※全然伝わらないかもです・・・・
つまり、自分の意志とは全く関係なく、脳がどんどん色々な事を考え、並行してあれこれ処理しようとするのですが、当然キャパオーバーになってしまうので、どれもきちんと行われず、中途半端で終わってしまうんです。
それでいてキャパオーバーになってしまっているにもかかわらず、どんどん脳みそは動き続けてしまいます。
そのため、感覚としては、何をしていなくても常に脳みそがフル回転して色々な事を同時に考えてオーバーヒートしてそれでも回転し続ける、と言う感じになってしまいます。
あなたの意識や意思と関係なく、脳みそが暴走してしまっているような感覚があれば、うつかもしれません。
首から上が常に火照っているように感じる
脳みそが常にフル回転と似ているというか、関係あるかもしれませんが、首から上が火照るような感覚を持ちました。
極端ですが、首から上だけがストーブで温められているような感じです。
冷や汗をかくとか、顔が赤くなるといったことはありませんでした。感覚だけです。
私がうつになったのは冬でしたが、冬なのに、首から上、つまり顔や頭だけが火照っています。
そして、これが何とも表現しにくいのですが、脳みそまで火照っているような感覚でした。
脳みそフル回転と関わりがあるような気がしますが、本当にオーバーヒートして熱を持っているのではないかと思うくらい、変な火照りを感じた記憶があります。
日本語が理解できなかったり、漢字の読みがわからない時がある
うつになった当時は、書類に目を通しても、何度か読まないと理解出来なかったり、あるいは、簡単な感じでも、読み方が合っているのか、調べないとわからないと言う事がありました。
前述の脳みそフル回転と関係あるかもしれません。
短い文章でも、1回読んだだけでは全然理解できず、2回、3回と読み返してようやく理解できるような状態でした。
また、漢字についても、全然難しくない漢字で、おそらく読み方は合っているはずなのに、全く自身が持てず、インターネットで調べて初めて合っているということがわかるなんていうヒドイ状態を経験しました。
さすがにこの時はやばいなと思いました、
後に、うつ病になった方として話題になった元アナウンサーの丸岡いずみさんも、
「山とか川とかいう感じにもフリガナをふっておかないと読めなかった」
とおっしゃっていたので、このような症状はうつ病には共通しているのかもしれません。
うつかなと思った時の対処法は心療内科を受診するのがベスト

うつかなと思ったら、迷わず心療内科を受診してください。
うつかどうかわからないから心療内科に行かないのではなく、少しでもあなたの中で不安がある、そんな時は心療内科に行ってください。
必ず行ってください。
うつは、病気です。
あなたの気持ちや考え、力ずくで治そうとしても治りません。
風邪や発熱は、体の抗体がウィルスを退治してくれたりして頑張ってくれますが、うつ病にはそういったものは効きません。
脳の病気ともいわれてます。
だから気合とか体力と気持ちの問題では治りません。
必ず専門医に相談し、薬を処方されたらそれをしっかり飲んでください。勝手に判断したら、悪化します。
私は、うつの薬と共に睡眠薬を処方されたのですが、勝手に辞めたらとたんに眠れなくなり、一時的に症状が悪化した経験があります。
勝手な判断は本当に禁物です。
心療内科はあなたが思っているよりハードルが低い

良くないことですが、心療内科のイメージは、あまりいいものではないと思っていませんか?
何を隠そう私自身、悪いイメージしかありませんでした。
今思えば本当に最悪な私でした。しかし、事実、そうでした。
心が病んでいる人たちが行く病院という良くないイメージもあわさり、行くことそのものに、ものすごい抵抗がありました。
かなり語弊のある言い方ですが、同じ空間に居ることも抵抗があったくらいです。
しかし、実際の心療内科は、全くそんなことはありません。
待合に居る患者さんも、みんなどうみても、うつ病とか精神的な病を抱えているとは到底思えない人ばかり。
本当にみんなメンタルの病気なの?と思うくらいでした。
また、病院自体も明るい雰囲気で、内科や耳鼻科と全く変わらず、雑誌もあれば静かなBGMも流れているし、ここが心療内科ということを忘れるくらいです。
最初は勇気が要ったり、なんで自分が心療内科に通わないとけなくなってしまったんだろうと自責の念にかられますが、一度行ってしまえばイメージは大きく代わります。
花粉症の人は定期的に耳鼻科に行きますし、高血圧の人は定期的に内科に行くし、アトピー等の皮膚症状がある人は定期的に皮膚科に行きます。
うつも一緒です。定期的に心療内科に行くのです。
いろんな病院やクリニックとかわりません。
先入観や思い込みが、勝手にハードルを上げてしまって行きにくくしているだけです。
さいごに
私が医師からうつ病だと言われた時、正直信じられませんでした。
それは、医師に相談する前に、自分でもおかしいと思ったのでう、一般的な初期症状や、インターネット等で出来るテストのようなものでも、うつ病とはいえない、と言う結果だったからです。
ですが、そういう結果でも安心できなかったし、一向に良い方向に向かず、そして休みたくても休めない(仕事ではなく精神的に)だったので、受診しました。
その時、医師から言われたのは、
「みんなに当てはまる訳ではない。うつば脳の病気ともいわれているから、様々な症状が出る。だからこそネットの情報等で判断せず、心療内科に行かないといけない。キミも、おかしいと思ってきてくれたから、軽い状態だった。ほっておくと悪化して治療はかなり長期になる。」
とのこと。
周りの目とか、気持ち問題とか言っていると、症状が悪化してしまいます。
そうなると、治療も長くなるし、症状もかなり重い状態になります。
私が軽いうつでも2年くらいは根治までかかったので、重くなると、もっと時間がかかります。
また、軽いと、薬を飲んだり治療しながら仕事も可能ですが、重くなると入院が必要となり、休職しないといけなくもなります。
そうなると、人生が180度変わると言っても過言ではありません。
あなたが、少しでも「自分は何かがおかしい」とか私が経験したような変な症状がでたら、心の不調を疑ってみてください
早く対応することで、回復も早いです。
我慢したり、甘えだと思わないでください。