育休を取ることは、即決しました。
迷いや不安がありました。ただの育休ではなく、期間限定とはいえ、家事も育児もやる「主夫」になるのですから。
しかし、現状を把握し、妻と子供と私にとってベストな選択肢は何かと考えた時、残った答えが、私が育休を取ることでした。
仕事やキャリア、出世等は、あとからどうとでもなります。
育休取得は即決した

私が育休を取ると決めた時は、正直全く迷いはありませんでした。
むしろ、私が育休を取らないと、妻のキャリアはもちろん、子供にも大きな負担をかけてしまうこと、そして何よりそれを私自身が許すことができなかったという点が大きいです。
妻は、仕事の都合、育休を1年で切り上げて仕事復帰しなければならないと言う状況でした。
しかし、子供は保育園に入れていません。
そのため、妻が仕事に復帰すると、誰が子供の面倒を見るのだ?ということになりますよね。
これは自然というか、普通にそう思うと思います。
お互いの両親に頼ると言う選択肢はあっても、週5日フルタイムの時間を毎日というのはあまりに頼りすぎだし負担がかかります。
かと言って、毎日シッターのような方に預ける訳にもいきません。
そうなった時、「オレ、育休取るわ」と伝えました。
状況から見て、それがベストだと判断したからです。
妻や義母は、「大丈夫なの?いいの?」と心配しましたが、私はその時はすでに自分の事など、いい意味でどうでもいいと思ってました。
それよりも、一度妻を転勤で引き連れていった時、職探しに大変苦労していましたし、専門的な仕事なので、今と同じ条件の仕事がすぐに見つかるかと言われれば難しいです。
そのため、パートや派遣になるかもしれませんが、そうなると収入も減りますし、妻のキャリアも築けません。
私は、確かに休んだらキャリアに影響は出るかもしれませんが、それは今後どうにかなるだろうという何故か楽観的だったので、気にしませんでした。
一応、私の意見はありますが、家族として考えねばならないため、妻ときちんと相談しました。
長い時間がかかることはなく、お互い言い争ったり反対意見が出ることはなく、30分もかからず家族会議は終わり、翌日に上司に「最低半年」の育休取得を申し出ました。
自分のキャリアのことは考えなかった

先にも書きましたが、自分のキャリアのことは、当然少しは気になりました。
出世レースのことも、昇給昇格のことも。
少し思いましたが、その後すぐに、どうにでもよくなりました。
私は今の会社が3社目ですが、どの会社でも、個人に対する評価や昇給昇格なんてものは、パズルの組み合わせ、鉛筆舐めて決めるようなものでした。
だから会社に対して期待はしていませんでした。
いい結果残しても上層部や人事で評価をコントロールされ、適正な評価をされないケースもあるからです。
実際、何度か私は、理解できない評価のされ方をしました。1社に限らず、です。
極めていい評価を得られる者は全体の一握り、数%です。大半は、「ハイ、よく頑張りました。普通の評価ですね」となる。
そうなると、出世や昇給は、ハッキリ言って友達人事だったり、お気に入りの社員だったりが、上がっていきます。
おまけに、今の会社で他の仕事がしたいと思っても、ハイ異動、なんてすぐには出来ません。
今の仕事で結果を残してようやく異動できるかどうかのスタートラインに立つのです。
私が、こういうキャリアを歩みたい、こういう仕事なら自分の強みを発揮できるし得意だといくら言っても「今の仕事で結果残せてないのに」という判断です。
ですから、いくら私が自分のキャリアの事や昇給のことを考え悩んだとしても、それは全く意味の無い悩みとなる可能性が高いと考えました。
であれば、自分のキャリア等どうでもよくなりました。そして、本当に自分なりのキャリアを築きたいなら会社を変えればいいと思いました。
過去の転職経験が活きましたね。
ですから、今の会社でのキャリアは何の心配も要らなくなったので、それに対しては何の不安も感じずに育休を取ることにしました。
半年の育休を自分の財産にしようと思った

育休を取るまでは、ハッキリ言って、育児関連のことについては全く無頓着でした。
当然、生まれてから毎日早く帰って妻1人の時間を出来るだけ確保したり、風呂に入れたりと、出来る限りのことはしていたつもりでした。
しかし、いざ育休を取る、しかも私の場合は妻とバトンタッチなので、1人で朝から晩まで面倒を見るいわゆるワンオペに近い状況になります。
子供は当時1歳でしたから、離乳食の事、予防接種の事、遊びや知育の事、保育園の事、コミュニケーションの取り方、食事の摂り方、役所の手続きなどなど、全く知らないことばかりでした。
妻がいてくれるから、という理由で、自分は何もしなくても大丈夫だろうと勝手に思っていました。だから、育児をするために必要な知識や情報は妻から聞けばいいと思っていたのでしょう。
しかし、1人で育児をすることになり、そうは言ってられません。
私が全て考え、判断しなくてはなりません。
不安とともに、これは私にとって大変貴重な経験になると感じましたね。
統計を見ても、男性の育休取得率は約5%。しかも、1日だけでも育休取得にカウントされるから、実質的に私のように、1人でほぼワンオペ育児をする男性は、1%以下なんじゃないかなと。
世の中の1%しか経験出来ないことを、自分は経験出来る。しかも、子育てという未知の事。
もともとレアな事やレアなものが好きだったこともありますので、毎日を大切にしていこうと考えました。
育休中に今後の人生計画を考えてみようと思った

1日中子供の面倒と家事をしているので、たっぷり時間がある訳ではありませんが、少なくとも子供が昼寝している時間や、夜寝た後は、自分の時間が取れます。
そして仕事を一切しないため、毎日2~4時間くらいは、ひとりの時間が何とか作れます。
その時間を利用して、今後の事について深く考えました。
子供が1人居ることで、今後考えなくてはならないことを色々書き出したり、小学校入学や中学校入学のマイルストーンと自分の年齢とを重ね合わせ、どういう生き方をしていきたいのか、想いを巡らせていきました。
例えば、保育園の間はいいですが、小学校に入ると、妻も私もフルタイムで働いていますから、子供が家に帰る時間はまだ仕事中です。
誰が面倒見るのか?
また、春休み夏休みなどの長い休みの時、誰が面倒を見るのか?
知り合いに話をきくと、習い事を探したり、クラブチームに入れてみたり等。
ライフスタイルが大きく変わる、いや、正確に言えば、変える必要が出てくるタイミングが今から何年後なのかを知っておくと、それに向けて自分は何をどうすべきかを考えられるようになりました。
今思えば半年なくて1年でも良かったかなと思います。会社に対して期待しないマインドになっているのであれば、もう半年伸ばしてもよかったかなと。
子供も認可保育園ではなかったので、育休延長そのものは全く問題無く可能だったのですが、妻から、収入のこともあるから早く復帰せよと指令がでたので・・・。
さいごに
育休は、子供の成長を間近で見られます。
大変な事も多いですが、この経験は誰でも出来るのに多くの人がやろうとしません。
私もその一人でしたが、育休を取らなければならない立場になった時、仕事と子供や妻のキャリアを天秤にかけることそのものが愚かな考えだと実感しました。
育休を取ることが、あなたの会社に迷惑をかけるとか、キャリアに影響するとか、出世から遠ざかる等ということに繋がるかもしれません。
しかし、絶対にそうなるとは言い切れますか?
社会が変わって、男の育休がもっと増えてきたら、あなたは経験者として重宝されるはずです。
仕事はいくらでもあります、あなたの代わりはいくらでもいます、でも子供や奥さんにとって、あなたの代わりは居ません。
仕事よりも大切なものがある、しかもめちゃくちゃ身近にある、という事が伝わればうれしい限りです。