最近は何かと男の育児参加が注目されています。
育休の義務化とか、育児参加を促す制度とか。
ですが、まだまだ「育児は妻だけで十分」「何で2人もいるの?」「育休?いいリフレッシュになるね。ゆっくり休んで」なんてことが往々にしてあります。
ハッキリ言って育児は想像の1000倍くらい大変です。
楽な事なんて全くありません。仕事より大変だと思ってください。
育休取って半年間育児に専念して復帰した私が言うので間違いありません。
言葉が全く通じない

子供の年齢にもよりますが、2歳くらいまでは言葉が殆ど通じません。
こちらの言うことはおそらく理解はしていますが、こちらの言いたい事伝えたい事が100%伝わっているかというと答えはNoです。
ダメなことをダメって言っても絶対やるし、止めてって言っても止めないし。
それで強く叱ったら、大声で泣きます。
そう考えたら、仕事では、相手は立派な大人ですから、少なくとも言葉は通じますし、ダメと言えばやめるし、やめてと言ったらやめるますよね?
言葉が通じないというの相当大変なことです。外国語なら多少は理解してコミュニケーションできるようになりますが、子供相手ではそうはいきません。
私自身、育児休業から復帰したとき、言葉が通じる大人と会話する時間が増えてめちゃくちゃ楽に感じました。こちらの言いたい事伝わるし、ちゃんと応答してくれる。
そう考えたら、言葉の通じる大人同士、モメてもいざこざあっても通じるだけ楽じゃないかと感じるようになりました。
コミュニケーション取れないのは本当に辛いです。
こちらの感情のコントロールがおいつかない

子育てしてるとどうしても、イライラしたり、怒ったりしてしまいます。
ただ、怒ったら泣いてしまう子供が助けを求めるのは、怒った張本人の親です。
だから、イライラしてしまって怒ったあと、すぐになぐさめてあげる為に、一瞬で気持ちを切り替えて、味方になってあげなければなりません。
つまり、同じ相手に、怒った直後に愛情表現するという相反する感情を一瞬にしてスイッチさせる必要があります。これがかなり心身に負担です。
もし何か機会があれば、めちゃくちゃイライラしている感情を2秒で抑え込んでみてください。
なんというか、気持ちと脳がついていなかい感じを受けると思います。
そんなのを一日に何回もやらねばなりません。仕事中だとそんなことありませんよね?
イライラしたら、ちょっと外に出たりコーヒー飲んで気持ち切り替えて、とか。
そんな事出来ません。その場で一瞬で対応しないといけません。
仕事は楽です。。。
一瞬気を抜いたら子供は死ぬ

子供は一瞬でも気を抜いたら死ぬ可能性があります。
危ないもの、熱いもの、痛いもの、・・・何もわかりません。そしてそれら全てに対して、わからないから興味を持つことになります。
そうなると、包丁だろうが、はさみだろうが、熱湯だろうが、何にでも手を伸ばします。
上記に書きましたが、言葉が通じないので、危ない!とか、やめなさい!とか言ってもわからないので、防ぐには、物理的に隔離するか、常に見張っているしかありません。
子供は、ハイハイをしはじめると、数秒を目を離しただけでかなりの距離を移動します。
歩き出したらもう大変です。
気を抜いている時ほど、子供は危険なことをしています。一瞬たりとも気が抜けません。
当然のことながら一切空気読めないし、こちらの事情はおかまいなし

大人なら出来る、空気を読む、相手の立場になって考える、といったことは一切できません。
なので、こちらの精神状態とか肉体状態とか一切気にせずに、遊んでと催促したり、泣いたりします。
どんなに精神的に参っていても、笑顔で楽しく遊んであげる必要があります。
どんなに肉体的にきつい状態(腰痛、寝不足、発熱などなど)であっても、笑顔で楽しく遊んであげる必要があります。
仕事なら、周りの人は空気を読んで、話しかけないようにしたり、気を遣って話をしたりしてきます。
また、肉体的に辛いなら仕事を休むこともできます。当然、精神的に辛い状態でも休めます。
子育ては休めません。どんな状況でもなかなか休めません。
こうなると仕事は楽に感じれます。
自由時間ゼロ

自由がありません。
子供が寝ている時間以外は一切自由時間がありません。
そして、子供が寝ている時間も家事炊事に費やす必要があるので、自分の時間というものはゼロに等しいです。
仕事していれば、疲れたら休憩できるし、コーヒーなどの飲み物も飲める。しかも、冷たい・暖かい等ベストな状態で飲める。
育児していると温かいコーヒー淹れても飲めない事が大半。リラックスや気持ちの切り替えなんてできたもんじゃありません。
だから1日、いや、半日でも子育てから一時的に開放されることで、肉体的にも精神的にもすごく楽になります。
食事は味わう事なんてできずマッハで流し込む

朝、昼、夜の食事は、基本的に味わうとか美味いとか感じるヒマなく、とにかく早くかきこんで流し込む感じです。
加えて、冷めている、麺類ならのびている、という状態が大半。
小さい子供は自分で食べられないし、そもそも食べることや食事の時間そのものを理解できていない。
だから、食べ物ポイポイ、ぐちゃぐちゃ、まぜまぜするし、食べたくないなら食べないって感じになります。
さらに、手づかみやフォークスプーン等でもうまく出来ないので、必ず大人がサポート、アシストしないと、まともに食べれません。
うまく食べれないとギャン泣きします。
だから、自分の分をまずかきこみ、もぐもぐしている間に子供のサポートをし、またかきこむ・・・というループです。
半年間の育休中、ゆったりと食事が出来たのは皆無です。
ただ、早食いになれるというメリットはあります。
残業とかいうレベルではない24時間勤務状態

大人と同じ生活スタイル、タイムスケジュールになるのは大きくなってから、早くて1歳~1歳半くらいです。
子供は朝も昼も夜もよくわかりません。
ですから、夜=寝る、昼=起きる、ってこともわかりません。
眠い時に寝る、起きたいときに起きる。
つまり、深夜でも目が覚めたら寝ないんです。ほっといても寝ない。そしてほっておくとそのうち、耳をつんざくような声で泣き出します。
24時間、全て子供優先で対応しなければなりません。しかもすべてにおいてYes。断ることは出来ません。
定時と言う概念や残業という概念のある仕事と比べてどうですか?
仕事は、「今日は定時過ぎたから」とか「今日でなくても明日でもいい」ってことが大半ですよね?
子育てはそういう訳にはいきません。深夜2時でも対応しないといけません。いつ終わるかわかりません。
24時間、臨戦態勢でいる必要があります。
さいごに
私は育休を半年とり、その後仕事に復帰しました。
復帰して感じたことは、仕事のほうが楽、ということです。
言葉、常識が通じない、自分の時間は一切取れない、常に気を張らないといけない、などなど肉体的にも精神的にもかなり削られていきます。
そして、それを少しでも誉めてくれる人はいません。育児だから当たり前と言われるのです。
仕事してたら、表彰されたり、祝杯を挙げてもらったり等ありますよね?そういったものもありません。
男性の育休義務化などで、育児参加は拡大していますが、実際育児の大変さ、しんどさ、辛さは本当にやってみないとわからないです。
ただ、管理職クラスの人は、今から子育てするのは無理です。
だからせめて、「子育てはめちゃくちゃ大変で仕事の方が楽に感じるくらい」という私の体験談を信じて理解してください。
想像の1000倍くらい大変です。
子育ての大変さが少しでも伝わると嬉しいです。