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本当は増えてない?男の育休は、制度のカラクリをで増えているだけ

男の育休取得率は過去最高の5%以上となっています。

 

直近だと2012年に約2%だったから、その後継続して上昇していて、最新の調査で5%を超えたとのことです。

 

数字だけ見たら、5年で3倍近いんですが、育休を取った身としては非常に良いニュースなのだが、反面、中身が伴ってないのが正直なところです。

 

表向きの数字が伸びているんですが、中身が伸びてこないと意味が無いと思います。

5年で3倍近く育休取得者が増えている背景には、考えるべきカラクリがあります。

 

男性の育休取得率が向上してきているが実は・・・

男性の育休取得率は年々増えています。

いいことだな、もっと増えればいいな、と思いますよね。

確かに。もっと割合が増えれば、みんな取り易くなるし、一般的なことになってきます。

 

ですが、実は問題が隠れていて、「数字上」では増えているということ。

 

どういうことかというと、問題は男性が育休を取った期間です。

これは厚生労働省が発表しているレポートで、誰でも見れる情報に載っていますが、育休を取得した男性のうち、取得した期間ですが、

  • 5日未満:約6割
  • 2週間未満:約2割

となっています。

全体のうち約8割近くが2週間未満です。

もっと長期になると、

  • 1ヶ月以上:約1割
  • 3ヶ月以上:5%

と、めちゃくちゃ少ないです。

特に長期となる3ヶ月以上となると、育休を取った5%のうちの3%ですから、えーっと0,015%??

もはや計算が合っているのかわかりませんが、できませんが、それくらいとても少ない事がわかります。

 

男性の育休取得率向上にはカラクリがある

この育休取得の割合が増えているのには、カラクリがあります。制度や定義をきちんと満たしているので、間違っている訳でもないし、水増しでもないのですが、なんとなくモヤモヤします。

1日でも育休を取れば「育休取得」になる

育児休業というと、「数ヶ月くらい休む」というイメージを持っている人も多いと思います。

特に結婚して既に子供が居る方は、奥さんが長期取られていると思いますし、育休取得の多くが女性で、子供が1歳くらいになるまでとか、短くても半年くらいになるまでとか、長期間取ることからそんな固定概念があります。

ですが、育児休業は最長〇年という長い方の区切りはありますが、〇日以上、等という短い方の区切りはありません。すなわち1日でも取れし、1日でも申請していればそれは育児休業とみなされます。

厚生労働省の資料には、5日未満という区切りになっていますから、会社はそれ以下の日数から設定できることになります。おそらく1日だけ、という人も多く居ると思います。

すなわち、最近の「男性の育休取得率5%以上」の中には、当然この「1日でも育休を取ったことになる人」の割合も含まれてます。

むしろ、育休取得者の割合の多くが1日~数日なので、この日数の人たちが増えたことが要因と僕は思います。

 

会社としては1日でもいいから育休を取らせたい

会社としては、「しっかり長く育休を取って奥さんをサポートした下さい」というよりは、「育休は1日でも取れるから取ってください」というように、本来のあるべき育休からはかけ離れた推奨の仕方をしています。

会社によっては、育休を取りやすくするために、本来給料が出ない育休を、最初の数日間は有休にする等の制度を作っています。

 

私も子供が産まれる時、人事から「〇日間は有給ですからその期間だけでも取ってみては?」と提案されました。

当時は育休を取る事を考えていなかったので、それがどういう意味なのかわかりませんでした。しかも、スルーしていました。

取ることを考えていない=私にとっては不要な情報 だったからです。

 

しかし実際に育休を取ると、その意味がわかりました。

前述にもありました、1日でも育休を取ると、「育休取得」となります

正式に、育休を取った男性が1名増えました、といえますし、統計を取るときにも、育休取得者にカウントアップされます。

これで、会社は対外的に、「男性社員が育休を取った」と公言出来るのです。

つまり、会社での男性の育休取得率が上がるのです。

 

 

何故、数日間でも育休取得を勧めるのか

会社として対外的にアピールしたい

そうまでして「わが社の男性社員の育休取得率は年々増えていまして・・・」とアピールしたいのは、対外的にとても印象が良いからです。

 

これは、会社が世の中に「働きやすさ」や「ワークライフバランス」をアピールし、人材を集めるのに非常に役に立ちます

昨今、働き方改革や就活の際に重要視するポイントが公私のバランスとなるなど、仕事以外の点を重視することが多くなってきました。

男性の育休取得率は、恐らく就活中の学生や転職希望者が会社を選ぶバロメータにもなるはずです。

男性が育休を取れる会社、というのは、対外的にも非常に好印象で、とても働きやすい風通しの良い会社のアピールとなります

 

長期間取りにくいから短期間でも、という発想

今の時代はまだまだ男性が育休を取りにくい時代です。

また、育休を取るという発想、考えすらありません。こんなブログを書いてますが、私も子供が産まれた当初は育休を取る事は考えてませんでした。

また前述のように、育休=長期間というイメージもあることから、取得に踏み切れない方が多いです。

ですが、育休=短期でもOK、そして取って数日でも育児しないとそもそも大変さや育児の本質がわからないのではということから、短期で取りやすい制度を作った訳です。

まずはとにかく取ってみよう、そういう発想です。その発想と、1日でも取れば育休取得となり、会社としてもメリットになるから、どんどん推進していこう、となったのです。

ですが、本質は違いますよね?

最初の何日かは有休ですから取りやすいというのは会社の評判を良くしたいだけで、本来育休に求められることに対しては全く解決になってません。

表面的な数字の成果を残したいだけです。

 

数日間の育休取得を推進しても根本問題は解決しない

育休を取った立場からすると、育児の本当の大変さ、辛さ、楽しさは、少なくとも1ヶ月以上取らないと経験できないですね

数日だったら例えば正月、盆休み、GWでも同じくらいの期間を育児に費やす事が出来ます。ですが、その数日では、ママに並ぶほどの大変さはわかりません。

 

実際、私も、育休を取って2週間くらい経ってからようやく大変さというか、色々知らない苦労を体験できましたし、辛さもあらわれてきました。

常に見張らないといけない、自分の時間は一切ない、着替え/食事/排泄/入眠/散歩/しつけ等など生活のありとあらゆることを全てサポートし、時間も何もかも子供最優先で1日過ごします。

数日だけだったら、むしろ大変さ辛さだけ経験して終わりっていうマイナスになる可能性だってあると思います。

ただ単に、数日休んで子守しました、で終わります。

根本的な問題解決にはなってません。

 

まとめ

男性の育休取得率は、ここ数年で3倍近くになっていますが、その多くは短期間の取得者です。およそ8割が2週間以内です

 

取得率が伸びているのは、この短期間の取得者が増えていることが要因と思います。

 

これだけでは、「育休を取った」ことになるだけで、「育児をした」「ママをサポートした」「ママと並ぶくらい育児をした、出来るようになった」とは到底言えません。

 

会社もまずは取得させようとするための制度を整えていますが、これでは短期の取得を助長するだけで、本来必要とされる長期間の育休はなかなか推進されません

 

今後、長期取得を希望する人が増える、それをサポートする会社や国が制度を整備していくことを願っています。